企業が自社ホームページの構想を練り始めるときに、私がその企業にアドバイスすることは、二つしかありません。ひとつは戦略的な企画に基づきホームページの項目構成を考えること。もうひとつはデザインの方向性を決めることです。共に充分な検討を重ねて準備する必要がありますが、よく見受けられる間違いが、その企業の「好き嫌い」の議論に陥っている点です。特にデザインの方向性を決めるための打ち合わせでよく聞かれるのが、「社長の好み」、「担当者の好み」です。その企業のホームページが効果的な役割を果たすためには決して陥ってはいけない誤りです。
無意味な議論を打開し、ホームページの基本設計をあるべき方向へと進める考え方とは何でしょうか。それは、「顧客視点」であり、「ターゲットとサイトの目的の明確化」です。
例えば、ホームページのデザイン面において配色を考えるとしましょう。そこで、よく聞かれる意見が、「社長の好きな色が青だから基調色を青系統にしてほしい」とか「会社のイメージカラーがグリーンなので緑系統にして欲しい」というものです。私のコンサル現場ではそのような議論は一切していません。配色ひとつとっても、それは好みで決めるのではなく戦略的な検討が必要だからです。例えば、扱っている商品・サービスを「清潔・安心・安全」というイメージでアクセス者に伝達したいのであれば、爽やかなブルーやグリーン系の色を基調にするとか、重厚なイメージであれば濃紺やエンジ、ダークグレーを使うなどです。色というテーマも「きちんとお客様の方を向いて決めましょう」ということなのです。
デザイン以外にもホームページの掲載内容(コンテンツ)の企画面でも同様の発想が必要です。最もいけないのが、「漠然と、ただ何も考えずに自分が載せたい情報を載せている」サイト。すると、社長の自己満足型のサイトとなってしまい、アクセス者からの反応が鈍くなります。逆に、「このような情報を掲載すれば問い合わせ(見込み客)が取れるはずだ」、「このコンテンツを見れば商品のイメージ向上に役立つはずだ」、「この商品特徴を掲載すれば、購買動機が高まるはずだ」、「働く人の本音を伝達することで、人材確保につながるはずだ」など、サイト開設の目的を明確にし、顧客視点で項目構成を考えることで、結果的に反応率の高いサイトが完成します。
すべての議論は、「このホームページを見るのは誰なのか」、「このホームページ開設の目的は何なのか」という視点に立ち返ると、すべての疑問が解決し、制作の方向性も的確なものとなります。社内会議で議論が行き詰ったときには、ぜひこの視点に立ってホームページの基本設計を進めて下さい。
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